コミュニティ活動のメリット

正直、コミュニティ活動のメリットを書こうかと思ったのだが、id:hyoshiokがうまく理想的な技術者のコミュニティ交流について、シリコンバレーを事例に書かれているので紹介しようと思う。

わたしがシリコンバレーで見聞きした範囲で言えば、以下のようなイメージであ
る。Stanford大学のデータベースグループは毎週金曜日の午後に公開セミナーを
している。http://www-db.stanford.edu/dbseminar/ 企業からの発表者がいろい
ろなお題で発表するのだが、OracleやらIBMやらMicrosoftやらベンチャーやらの
技術者が聞きに来ていて自由に議論をしている。単に質問をするというより、
「お前はそーゆー実装をしたけど、俺はこーゆー実装をした。XXXと言う条件の
場合は俺の実装の方が有利だと思うがどうか」つーような真剣勝負がはじまった
りする。守秘義務?何それ?もちろん、製品の出荷スケジュールとか顧客の障害事
例とかの話題はないが、技術に関する議論は、非常にオープンにされている。細
かいことは隠してもしょうがない、シリコンバレーと言う地域で共有するくらい
の暗黙の了解があるんじゃないかと言うくらい、オープンである。まあ、仮にそー
ゆー事を形式的に禁じたとしても人材の流動性が高いので昨日はSybaseに勤務し
ていたが、今日からはOracleだ、IBMだというような話は日常なので、常識の範
囲での知識の共有は人の移動とともに自然に半強制的になされてしまう。それが
ある意味、シリコンバレーと言う地域の競争力の源泉でもあったりする。ここで
注意してほしいのは技術情報といっても、企業秘密に属する類のものではない属
人的なノウハウだとか、ある種のコミュニティの暗黙知みたいなものである。そー
ゆーものがシリコンバレーのコミュニティでは共有されている。

正直、シリコンバレーのレベルには、まだまだかなわないが、日本でも似たような勉強会はある。たとえば、ボランティアベースのセキュリティ勉強会「セキュリティアカデミー」などがそうである。

セキュリティアカデミー
http://www.cakeoff.net/

シリコンバレーに限らず、日本でも濃い、本当の技術者同士の情報交換の場ができつつあるが、ほとんどの場合、それは東京で開催されている。私としては少しでも地方でも、そういった本音ベースの技術者同士の情報交換の場になればと、地域密着型情報セキュリティ勉強会、セキュリティもみじを立ち上げたりしているが、なぜ立ち上げたかというと、東京で行われている本音ベースの情報交換の場を自分のビジネスベースに近いところで開催したかったからだ。先日、第1回目が行われたが、幸いにも30名を超える濃い人に集まっていただき、大盛況のうちに終わることができた。ある程度の集客が見込めたので、今後は定期的に3ヶ月に一度くらいのペースで定期開催を予定している。ちなみに第2回は5/21(土)である。興味がおありな方は、詳しくは以下のURLを参照していただきたい。

セキュリティもみじ
http://d.hatena.ne.jp/sec-momiji/

正直、日本の技術者の情報発信は、まだまだこれからだと思う。しかし、情報発信を行おうとする流れもあり、情報交換の場もできつつあるため、私としては自分を育ててくれたコミュニティに対して、少しでも恩返しができればと、自分自身が積極的にコミュニティの場を提供しようと努力しているわけである。
正直、コミュニティ論は、私自身が3500名規模のML「connect24h」を運営していることもあり、いろいろと考察しつつ思うところもあるのだが、なかなか発表する場がないので、ざっとまとめてみた。

connect24h
http://www.freeml.com/ctrl/html/MLInfoForm/connect24h/
詳細な案内
http://d.hatena.ne.jp/connect24h/20000514

ただし、いいたいことの1/3もまだかけていない。時間があれば、GW中に全部書いてみたいが、明日から小旅行なので、残りは帰ってきてからかな。